笏谷石製狛犬(白山狛犬)

本年も残り僅か押し詰まってきました。この来待ストーン四方山話では狛犬、石工について述べてきました。本年最後は何にしようかと思いましたが、福井県から来た狛犬にしました。笏谷石(しゃくだにいし)という福井市足羽山で採れる新第三紀中期中新世(1700万年前)の火山礫凝灰岩、青灰色のグリーンタフで作られた狛犬は愛らしくおかっぱ頭をしています。白山信仰により広まったとも云われ白山狛犬とも呼ばれますが、越前狛犬のほうが越前を代表とする狛犬のイメージがあるのでいいかもしれません。石造狛犬としては年代的に古いものが多く、永正十二年(1515)の記念銘を持つ狛犬が現存するとか。石造狛犬が社寺に広まったのは、江戸期に入ってからであり、寛政期〜文政期に一気に広まり今日にいたっています。これからすると、笏谷石製狛犬はこの形式が出来る前後を含めてかなり古い形式の狛犬で、石造狛犬のある意味原点であるといえます。日本海航路沿い、湊港にこの狛犬は奉納されています。大きさは小型のものが多く、随身門や拝殿内用に作られたのではと考えますし、石造狛犬が出現する前の木製狛犬は殆んどが社の中に安置されていますので、そのような流れの中で出来た狛犬ともいえます。笏谷石の歴史文化については、三井紀生氏の「越前笏谷石」三部作に詳しく書かれています。島根県に来ている笏谷石製狛犬は、私と狛犬研究の同志である廣江正幸氏によって6〜7社に存在することが確認されています。中には10数センチの手のひらに載るサイズの超ミニ狛犬もいます。破壊されたりするのを防ぐ為に、社内に保管していただいているものもあります。当地の来待石製出雲式狛犬は、遠く北海道でも各湊で見ることができますが、江戸期の狛犬は経年劣化が著しく、遷宮などを契機に片付けられることも多いです。笏谷石製狛犬もその例外ではありません。この狛犬達が、船頭や商人によって命がけで取引のあった各湊に運ばれたことは自明の理でありますし、是非地域の方々や関係の皆様方に保存、修理をお願いしたいと切に願っているところです。当地にあります笏谷石製狛犬を紹介いたします。また、他の使用例についても一部ご紹介いたします。

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1 Comment

  1. はじめまして、
    「ふくい笏谷石の会」の事務局です。
    笏谷石研究家、三井氏よりご連絡をいただき、ブログを拝見させていただきました。
    私共は、笏谷石製越前狛犬(白山狛犬)については、とても興味がありますが
    まだまだ勉強不足で、今後、狛犬についてや
    白山信仰との関わりについても調べていきたいと思っております。

    また、私共のホームページ「笏谷石を訪ねて」や「笏谷石雑記帳Blog」で
    「来待ストーン四方山話」のブログをご紹介させていただきました。
    今後とも、どうぞよろしくお願い致します。

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